ピアノの仕事は、ピアノが好きな方なら一度は憧れる夢の1つですよね。
でもピアニストとして生計を立てている人は、ほんの一握りしかいないのも現実。テレビやYouTubeなどで活躍している有名人を見ることはあっても、実際にやってみようという人はほとんどいないのではないでしょうか。またお子さんがピアノの仕事に憧れていても、収入や安定性の面から心から応援できない親御さんが多いかもしれません。
しかし、実際にはピアノに関連した仕事はたくさんあり、けっこう現実的なものもあります。ピアノの仕事はピアノが好きな方であれば、好きなことをしながらお金を稼ぐことができますし、また聞いている人などを喜ばせることが出来るので非常に魅力的ですよね。
音楽は言語がないため世界中誰でも楽しむことが出来ますし、その中でもピアノは人気の楽器の1つです。ピアノに関する仕事で有名になれば、どの仕事でも世界で活躍することもできます。
今回はピアノに関する9つの職業とその安定度や平均年収、難易度や魅力をご紹介していきます。
目次
ピアノに関連した職業
ここからピアノに関わる職業とその特徴を解説していきます。また収入額・安定度・難易度を3段階で評価しています。ここでは9つの職業を紹介していきますが、実際にはまだまだあります。あなたの夢や目標になる仕事を見つけていきましょう。
(★☆マークの解説)
収入額:★が多いほど収入が多い
安定度:★が多いほど安定性がある
難易度:★が多いほど難しい
①コンサートピアニスト
収入額:★★★
安定度:★★☆
難易度:★★★
まずは誰もが憧れる、コンサートを開催して生計を立てるものです。多くの人が考えているプロのピアニストですね。個人で活動している方もいらっしゃれば、楽団などの事務所に所属して給料(報酬)をもらっている方もいらっしゃいます。
収入
コンサートピアニストの平均年収は日本では約650万円、アメリカでは約950万円、ヨーロッパでは約800万円(2022年7月時点)と、サラリーマンの平均給与から考えてもかなり高い収入が見込める職業です。一生懸命勉強してようやく就ける多くの職業(例えば薬剤師や獣医など)よりも稼ぐことができます。実際、有名な方だと年収で1億円は軽く超えています。
安定度
コンサートピアニストとして安定した収入を得るには、ピアノを弾く技術だけでなく、ある程度の知名度や実績も必要です。コンサートを開くこと自体は誰でも出来ますが、多くのお客さんが来てくれないと赤字になってしまいます。コンクールで入賞したり、SNSやテレビで活躍したり、地道に小さなコンサートで良い評価を得ていくなど、ある程度の知名度を上げてファンを増やしていかないと、これだけで安定した生計を立てるのは難しいでしょう。
しかし一方で、1度波にのることができれば、年齢にかかわらず、安定した収入を得続けることができます。高齢でもバリバリ活躍している方が多いのも特徴の1つ。一般的なスポーツ選手などと違い、プロとして永く活躍できるのも仕事の魅力ですね。
難易度
ご想像の通り、かなり優れたスキルと曲やピアノに対する情熱、またコンクール入賞などの実績を持っていないと就くことが出来ない難しい職業です。スポーツで例えるならプロ野球選手です。野球少年は全国に数多くいますが、プロになれる人はほんの少しだけですよね。これを目指すためには人並み外れた努力と才能が必要になります。
②イベントピアニスト
収入額:★★☆
安定度:★☆☆
難易度:★★☆
次に結婚式やパーティ、またホテルやクルーズ船などで演奏するイベントピアニストです。これもホテルなどに雇われて給料をもらっている人もいればフリーで活躍している人もいます。
収入
イベントピアニストの年収は、どれだけ仕事をこなせるか(需要があるか)にもよるのでピンキリです。多い方だと年収で1,000万を軽く超えている方もいらっしゃるようですが、平均では300万円~400万円。サラリーマンの平均年収よりやや低いくらいです。
時給換算では1万円を超えるなど、かなり高いものが多いですが、それに関わるための練習時間が必要になってきます。またイベントによっては、それなりの衣装を準備するお金が必要になってしまうことも痛手です。
安定度
イベントピアニストは、たとえば結婚式などのイベントが多くなる土日祝日、またイベントが増えるクリスマスの前後などに仕事が多く、それ以外の平日の昼間などはあまり仕事がないのが特徴です。そのためフリーでやっている多くの方が掛け持ちで仕事をしています。イベントを企画する会社や式場、ホテルなどで雇われて給料をもらうなどしない限りは、とても安定した仕事とは言えないのが現実です。
難易度
イベントピアニストはコンサートピアニストに比べて、卓越した技術はそれほど必要がないので比較的簡単に就くことができる仕事です。どこかのコンクールで入賞したり、レベルの高い音楽学校で良い成績をおさめる必要は必ずしもありません。もちろん、ある程度ピアノの演奏技術は必要です。
③ピアノの先生
収入額:★☆☆~★★★
安定度:★★☆~★★★
難易度:★☆☆~★★★
ピアノの先生は最も人気があるピアノの仕事のです。同時に、次の世代にピアノを受け継ぐ大事な仕事です。
大学や音楽スクールなどに所属してピアノを教える方もいれば、自身で教室を開いて講師をする方もいらっしゃいます。
ピアノの先生は大きく「初心者~中級者向けの先生」と、「上級者~プロ向けの先生」で大きく特性が異なります。
収入
1つは収入に大きな差が出ます。当然レベルの高い人を教える先生のほうが収入は多いです。平均するとピアノ初心者~中級者に教えている先生は年収200~300万円前半、音楽学校(大学のピアノ専攻)などで上級者向けに教えている先生だと600万円以上が一般的です。ピアノ初心者向けの先生だと、これだけで生計を立てるのは少し難しいかもしれません。
安定度
もう1つは安定度に違いがあります。上級者~プロ向けの先生の場合、学校に所属するか、誰かに専属で付いて教えるかのどちらかですので比較的安定度が高いです。一方初心者~中級者向けの先生の場合、同じようにやっている先生や教室の数が多いので競争が激しく、生徒を集めきれないとなかなか収入につながりません。特にピアノ初心者は挫折して辞めてしまう人も多いので、一度生徒が集められても安定しないのが痛いポイントです。
難易度
最後にピアノの先生になる難しさも違います。初心者~中級者を教える場合は、自分が中級者レベル以上のピアノスキルあればできますので比較的簡単に就くことができる仕事です。一方で上級者~プロを教える場合は自分がプロ級の腕かそれ相応の感性を持っておく必要があるため、非常に難しいです。
「初心者~中級者」を教える先生の場合、基本的にレッスンは平日の夕方や土日になりますので、主婦(主夫)をしながら教室を開いていたり、作曲やイベントピアニストなどの他の音楽活動をしながら働いていり、保育士など別の仕事をしながら働いている方が多いです。見方を変えれば、自分の自由な時間が多いのが特徴の1つといえますね。
ピアノの先生は「ピアノを演奏するスキル」よりも、「人にものを教えるスキル」と「出来ているところ・出来ていないところを見つけるスキル」のほうが重要です。ピアノの先生を目指している人は、自分の嫌いな人や苦手な人に対して上手にものを伝える訓練や、自分より下手な人の演奏を聞いて何を改善したほうが良いのか考える訓練を今のうちにやっておきましょう。
④音楽療法士
収入額:★☆☆
安定度:★★☆
難易度:★★☆
もし音楽が持っている「感情や心に与える力」や、「ヒーリングミュージック」などに興味があるなら、音楽療法士という仕事はピッタリの職業です。
あまり聞き慣れない仕事かもしれません。音楽療法士とは、その名の通り医療や福祉の場で音楽を使う仕事です。自身でピアノを演奏したり作曲した音楽を、障がいがある人や高齢者、また子どもたちに聞かせて、彼らの心のリハビリをしたりストレスを和らげたりします。
収入
音楽療法士の年収は残念ながら高くはありません。平均で200~300万円と言われていて、これだけで生計を立てるのは難しいかもしれません。もちろん一流の音楽療法士になったり、大手の医療法人などに所属できれば平均の2倍以上は稼ぐこともできます。しかし全体としては収入は低いのが特徴です。
安定度
医療や福祉の現場で活躍する職業ですので、1度就いてしまえば比較的安定しています。特に高齢者が多い日本では音楽療法の需要は高く、廃れるような産業では無いのかもしれません。
一方で、すでに出来上がっているヒーリングミュージックを、スピーカーから流している老人ホームが多いのも現実です。このような老人ホームでは、あまり音楽療法士が必要とされていません。そのため、音楽の需要の割には求人が極端に少なく、どこかの病院や会社などに所属して、音楽療法士の仕事をすることは比較的難易度が高くなっています。どちらかというと、自分で演奏したり作曲した曲をYouTubeやSpotifyなどで配信して、著作権収入や広告収入を受け取るほうが現実的かもしれません。もちろんこれで成功するのも一握りの人だけですので、やはり仕事としての難易度はやや高めです。
難易度
音楽療法士は国家資格ではなく民間の資格です(国家資格に転換する取り組みもされています)。そのため、現時点では資格を持っていなくても誰でも名乗ることができ、ある程度のピアノのスキルや知識、音楽性を持っていれば誰でも音楽療法士として働くことができます。しかし「安定度」でも述べたように求人が少ないため、結果的に難易度がやや高くなっています。もちろん資格があったほうが就ける仕事は多いですが、資格をとるためには試験に受かるだけではなく、特定の学校に通う必要があるため注意が必要です。
音楽療法士の資格について詳しく知りたい方は日本音楽療法学会のHPをご確認ください。
日本は少子高齢化社会ですので、高齢者の割合はまだまだ増えていきます。つまり音楽療法の需要はまだまだ伸びしろがあるはずです。今後は音楽療法がもっと社会に浸透したり、(ピアノの)生演奏の価値が高くなる可能性も十分に考えられます。そのため、音楽療法士の収入や安定度、また仕事に就く難易度はこれから良い方向に向かっていく、未来性のある仕事ではないかと個人的には思っています。
⑤ピアノ調律師
収入額:★☆☆
安定度:★★☆
難易度:★★☆
現在では多くの人が電子ピアノやキーボードを使って弾いていますが、アコースティックのピアノはまだまだありますし、現在でも製造されています。それらのピアノの音を整えたり、ピアノの状態を確認してくれる仕事がピアノ調律師です。
ピアノのスキルは直接は関係のない仕事ですが、調律の際にピアノの状態を確かめるために試し弾きをしたりします。ピアノ練習で養われた指の感覚は少なからず活かすことができます。
ピアノ調律師は個人で活動されている方もいらっしゃいますが、楽器販売店や楽器製造会社に所属している方が多いです。私の知り合いの調律師さんは、個人で小さな楽器販売店をしながら調律の仕事もされています。
収入
ピアノ調律師の年収は200万~800万で平均は300万円代、サラリーマンの平均年収よりやや少ないです。これだけ見ると極端に悪いようには見えません。
しかし、実はピアノ調律だけで生計を立てている人は稀で、ほとんどの人は別の仕事(業務)も同時にしています。もちろん、個人で活動している人も、会社に所属している人もです。楽器の販売業はもちろん、ピアノ教室を開いていたり、新しい楽器の企画・制作などに関わったりと、調律に携わりながら別の音楽の仕事を行っているのです。
ピアノの調律の相場は1回で約2万円。作業時間は3時間かからない程度ですので、時給換算ではかなり高いです。しかしピアノの調律は(きちんと意識している人でも)年に1回程度しかしませんので、毎日仕事があるわけではありません。そのためピアノ調律だけでの収入というのは、年間ではかなり低いのが現実です。
安定度
ピアノの調律は、いわゆるメンテナンスですので、定期的に同じお客さんから仕事をもらうことになります。そのため、お客さんとの信頼関係さえ築ければ、長期的にはかなり安定している仕事です。場合によってはプロのピアニストに専属で付くこともあります。
ただ、価格競争が起こっていたり、大手の製造メーカーなどが参入していたりするので、個人で調律の仕事を始めると新規のお客さんを獲得するのが難しいのが現実です。それもあって、「楽器の販売をしながら、買ってくれたピアノのメンテナンスを請け負う」というかたちが一般的だったりします。
難易度
ピアノ調律師は国家資格が必要な仕事ですので、この仕事をするためには国家試験に受かることが必須となります。ただ国家資格と言っても、それほど極端に難しいわけではありません。1級~3級まであるので段階的に受験していくこともできます。
ちなみに、絶対音感は必要ありません。調律の際にはチューナーなどの機材を使って行いますので絶対音感を持っていなくても安心して目指すことができます。
⑥セッションピアニスト(スタジオミュージシャン)
収入額:★☆☆
安定度:★☆☆
難易度:★☆☆
セッションピアニストは、主に助っ人として出演することが多い職業です。ピアニスト(キーボード担当)がいないバンドでも、ピアノがバックで演奏されている曲って結構多いですよね。このような曲のレコーディングやライブに出演して、報酬を受け取るものです。イベントピアニストに近いですが、決まった楽譜を周りの音楽に合わせて演奏する(目立った演奏をしない)、という意味で少し違います。
セッションピアニストは基本的には、どこかに所属せずに個人で活動している場合が多いです。一部に大手の音楽事務所に所属して、同じ事務所に所属する他のアーティストの助っ人として働く場合もあります。
収入
セッションピアニストとしての年収は100万円~400万円と幅はあるものの、総じて比較的低い年収です。
1つ案件は5,000円~20,000円が相場で、人気のあるアーティストのライブなどはもっと高いです。受ける仕事の量に応じて収入も増えていきますが、毎日何件もこなせるほど需要は多くありません。そのため、普段は別の仕事をしながら、ときどき趣味の延長でセッションピアニストをやっている人も多いのが現実です。
安定度
専業でやっている人だけでなく、趣味の延長でやっている人も多いため競争が激しく、需要もピンキリです。特に地方ではあまり仕事がなく多くの人は都市部で活動されています。アーティストの流行り廃りも激しいため、一度人気のアーティストに専属で付くことができても、決して安定しているとは言えないのも痛いポイントです。
難易度
セッションピアニストには、中級以上のピアノのスキルさえあれば誰でも就くことができます。優れた音楽性や作曲センスなども特別必要なわけではなく、セッションピアニストになるための難易度は全体としては低めです。
もちろん、その分競争が激しいため、実際に仕事をもらえるかどうかは別問題です。コネクションがない場合は、ピアノの演奏だけで他のセッションピアニストと勝負することになるので比較的難易度は高いでしょう。また、時にはパフォーマーとして人前に出ることが多いため、若い人ほど採用されやすいのも注意点です。
⑦YouTuber(SNSパフォーマー)
収入額:★☆☆~★★★
安定度:★☆☆~★★☆
難易度:★☆☆~★★★
近年人気を集めているのが、YouTubeを始めとした動画サイトに自身の演奏動画を配信して広告収入を得るものです。YouTuberとして活動しているピアニストを数人は知っている方も多いかと思います。
動画配信にはYouTube以外にも様々なサービスがありますが、ここではYouTubeを前提として解説していきます。
収入
ユーチューバーとしての年収はご存知の通り、大きな差があり一概には言えません。
毎月数百万円以上の収入がある方もいれば、動画をたくさん投稿しても収益化できずに0円の方もたくさんいらっしゃいます。
一般的にYouTuberは、動画の広告収入以外にも、企業から案件をもらって動画を作成(例えば商品紹介など)し、それが収入になることがあります。しかし、ピアノの分野に関しては世界的に見てもそのような案件は少ないです。代わりにTV出演やCMの出演など、動画以外の別のオファーをもらえる可能性があります。もちろんこれらの仕事がくるのは、本当に一握りの数人だけですので期待は禁物です。
安定度
YouTubeにはチャンネル登録機能があるため、チャンネルの登録者であるファンが増えれば、ある程度は安定的に収入を得ることができます。
しかしTVで出演するタレントと同じように、流行り廃りがあります。チャンネル登録者数の割には、最近の動画の視聴回数が少ないピアノYouTuberはたくさんいらっしゃいますので、長期的に見て安定しているとは言えない仕事です。
難易度
ピアノと配信や録画する機材があれば誰でもYouTuberとしてデビューすることができます。またピアノYouTuberは手と鍵盤だけを写すことで、顔出ししなくても活躍できるのが嬉しいポイントです。(もちろん有名な方ほど顔出しされていますが)
一方でこの仕事だけで生活できるほどの収入を得るのは、皆さんご存知の通り非常に難しいです。無名の人がいきなりチャンネル登録者100万人などなりません。どんなに優れた技術や音楽性があっても、地道にコツコツ配信を続けていく必要があります。
とある調査によれば、YouTubeで最初の収益を貰えるようになるまで平均で1年以上の時間がかかるということです。つまり1年間は無収入のボランティア状態で動画を配信し続けなくてはいけません。あなたがもし就職するまで時間がある学生や趣味の延長でピアノを弾いている人で、YouTuberに憧れがあるなら今のうちに始めておくほうが賢明です。YouTuberで大事なことは配信を継続することです。期待どおりに稼げなくても、結果を受け入れて配信を続ける強い気持ちを持っておきましょう。
⑧作曲家(編曲家)
収入額:★★☆~★★★
安定度:★★☆~★★★
難易度:★★☆~★★★
様々なジャンルの音楽を作る作曲家です。
一見、ピアノと直接関係がないようにも思えますが、作曲家の多くはピアノかギターの経験がある方です。ピアノを練習することは作曲家になるための土台作りにもなります。
音楽事務所などに所属して活動する作曲家もいれば、フリーで活躍する作曲家もいらっしゃいます。もちろん最初は会社に所属して、経験を積んでフリーになる方も多いです。
収入
作曲家の収入は音楽関係の仕事の中でも比較的高いです。
音楽事務所などに所属している場合はサラリーマンの平均年収ほど(約400万円)が稼げて、フリーだとピンキリですが活躍している方はサラリーマンの平均年収以上に稼いでいらっしゃいます。
どこかの企業などから依頼を受けて作曲する場合は、1曲で10万円を超えることはよくあり、ある程度自分の型を持っていたり、案件が自分の感性で表現しやすいものであれば、それほど時間をかけなくても作曲が可能です。つまり短時間で多くの金額を稼ぐこともできます。
Popsなどの作曲の場合は直接の作曲収入よりは、利用されるたびに少しずつもらえる印税が主な収入源となります。ただし、Pops等でも編曲であれば直接の報酬が支払われる場合が多いです。
安定度
実は作曲の需要は一般人が考えている以上にあります。歌が入った曲以外にも、企業のプロモーション動画で使用する音楽であったり、ショッピングモールなどのテーマソングだったり、飲食店の店内BGMだったり、独自の音楽というのは身の回りに溢れています。もちろん個人で実績を積んでいたり、それなりに知名度があれば安定度はより高くなります。
またリピート案件が多いのも仕事の特徴の1つです。企業側からすれば、コロコロ作曲家を変えて、これまで積み重ねてきた企業イメージが変わってしまうのは避けたいところです。そのため、ある程度満足できる曲が提供されれば、次回も同じ人に作曲をお願いしたくなります。作曲家側からすれば安定して仕事の依頼を受けることができます。
このように、需要の多さやリピート率の高さという意味で仕事の安定度はかなり高めです。
ただ、1つ気になるのは、AIがつくった曲の完成度が年々高くなっている点です。今のところは人の作曲したものにまだまだ及びませんが、いずれAIに少しずつ仕事を奪われて仕事の安定性が落ちてくるかもしれません。
難易度
作曲家と聞くと、「とても感性に優れた才能のある人だけが出来る難しい仕事」というイメージを持つかしれません。
これは半分正解で半分間違いです。
音楽には「この音とこの音を組み合わせれば聞いていて気持ちがいい」だったり「この音の次にこの音を聞けば人は安心感を得られる」などといった法則があり、大抵はこれを組み合わせて曲を作っていきます。例えて言うならパズルを組み立てていくようなものです。このパズルをベースに自分の感性やイメージを少しだけ曲に表現していきます。すべて感覚だけで音楽が作れる人も中にはいますが、ほとんどの人はこの法則の知識をベースに作っています。
特段優れた感性や作曲センスがなくとも、この音楽の法則(音楽理論)をしっかりと勉強すれば誰でも作曲することができるのです。音楽理論は書店などで販売している本やネット上でも多く解説されています。特別専門の学校に通わなくとも知識をつけることができますよ。
コメントを残す