ピアノを学ぶ上で
・「耳コピから曲を練習すること」(耳をつかう)
・「楽譜を読んで曲を練習すること」(目をつかう)
どちらが大切だと思いますか?
答えは、どちらも重要です。
よくあるピアノの教本に沿って練習していくだけでは「耳」のトレーニングがまるでできません。
耳コピから新しい曲を練習し続ければ、楽譜を読む練習ができていません。
もちろん、盲目のピアニストや、耳が不自由なピアニストもたくさんいらっしゃいます。
目も見えて、耳も聞こえる方で、「ピアノを効率よく上達したい」・「レベルの高いピアニストになりたい」と考えているならば、目と耳どちらかに偏ってはいけません。どちらも練習していく必要があります。
特に日本のピアノ教本やピアノ教室を見てみると、楽譜を読むピアノの練習ばかりで、耳を使った練習がまだまだ少ないように感じています。
決して「耳コピ」をピアノの練習から切り離さないでください。これは別々ではなく、同じピアノの練習なのです。
私が考える、初心者が最も効率よくピアノを学ぶ方法は先に「耳」の練習をすることです。
だれでも耳が最初
ほとんどの人間にとって、「音楽」を学ぶ最初の一歩は、小さい頃に「きらきら星」のような単純な歌を歌うところから始まります。
記憶力がいい方は幼少期を思い出してみてください。
もしくは、自分が子供に音楽を教えるシーンを想像してみてください。
どうやって、初めて歌うような曲の音程を知り、歌えるようになるのでしょうか?
最初から楽譜を見せられて「ド・ド・ソ・ソ・ラ・ラ・ソ」と音程を教えてもらうことで、歌えるようになった人はいないですよね。
そうです。みんな「耳で聞いたものを声で真似する」ことで歌えるようになっています。
「耳コピは難しい」と自分の中に壁を作っている人は、その概念を取り払ってください。
だれしも、はじめは耳コピから音楽を知っていっているのです。
ピアノを学ぶ最初の1歩は、歌を歌う1歩と同じく、「耳で聞いたものを真似する」ところから始めることをおすすめします。
最初はピアノの「どの鍵盤からどんな音が鳴るのか」を知る必要があります。
ピアノの演奏を、数学の公式を使うように、ルールに沿って楽譜を見ながら鍵盤を押すだけの作業は止めてください。
まずは「ピアノを知ること」「音を知ること」が大事です。
そのためにも耳で聞いた音を、ピアノで真似をすることから始めましょう。
ピアノで真似をする際に、音程という概念は必要ありません。
ただ「原曲の音」=「この鍵盤の音」と繋げていくだけです。
※発展
メロディーを真似することは小さい頃からしているため、誰でもある程度トレーニングされた耳を持っています。
しかし、和音を耳コピするのは少し話が違います。
何故かと言うと、和音は声で真似ができないからです。
そのため、耳で聞こえていても、その音程を理解するトレーニングが幼少期からできていないのです。
メロディーをピアノを使ってコピーできるようになったら和音のコピーも練習しましょう。
このトレーニングは、1から耳を鍛える必要があるため辛抱が必要かもしれません。
ですが、これができるようになると、世の中にある様々な音楽の見え方が変わってきます。
時間がかかる練習ではありませんので、コツコツとやっていきましょう。
音楽を読むことを学ぶ
楽譜を学ぶ際に、最初に知るのは音程です。
私は先に耳を使って「真似」することをおすすめしました。
これができていれば、ここから音程を学んでいきましょう。
自分が演奏した音を、音程として歌ってみてください。
自然に、ピアノと音程がつながっていきます。
例えば「きらきら星」なら「きらきらひかる〜♪」は「ドドソソララソ〜♪」と歌い直すことで音程がつながっていきます。
次に楽譜と音程を繋げなければいけません。
初めての曲であれば、まずはその曲を聞くことから始めましょう。
ピアノには触らず、曲を聞きながら楽譜を見て、今どこが演奏されているか目で追ってみましょう。
もし余裕ができたら、曲を聞きながら音程を歌ってみましょう、ただし目は楽譜を追います。
これをやっていくことで楽譜と音程がつながっていきます。
楽譜を読むとは、様々なルールを単に記憶するだけではありません。
例えば、ある程度難しい漢字を覚えるときも、その意味や語源、もともとの象形文字、部首などのパターン、様々なやり方で覚えていくはずです。
ピアノで楽譜を読む練習も1パターンではありません。
今回紹介した方法もその中の1つです。
音とのつながりをしっかりと理解しながら、色んな方法で覚えていきましょう。
大事なことは、楽しみながら学ぶことです。
両方のスキルの習得
ピアノを練習していくと、新しい曲を挑戦していく頻度が増えていきます。
そのときに、楽譜を使って練習するばかりでなく、耳コピから練習していくことも重要です。
楽譜を使うことばかりやってしまうと、耳を鍛えることを忘れてしまいます。
そうなると、耳コピを定期的にやっている人に比べて、自分が演奏している音色を聴く力が弱くなってしまいます。
私は日本で販売されている、また売れているピアノの教本に耳コピの記載が少ないことがとても疑問です。
まぁ耳コピに偏りすぎると、楽譜が売れなくなりますから敢えて記載が少ないのかもしれません。
我々は楽譜を提供する企業の術中にハマっているのかもしれませんね。
何はともあれ、初心者のうちから楽譜を読むだけでなく、耳をトレーニングしていくことで、いいピアニストへ近づきやすくなるのです。
方法はいくつもあります。
このサイトだけではなく、様々なサイトや本を見ながら自分が楽しめる方法を探してみてください。
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