Privia Px-S1000はスリムで機能が豊富な人気のCASIOの電子ピアノです。CASIOといえば、少し前まで安価なキーボードが主流で、決してピアノとしての質が優れているとは言えない商品が多かったメーカーですが、どうやらその時代は終わったようです。
Privia(プリヴィア)シリーズは約15年存在しているCASIOの有名なブランドです。個人的に、特にこのブランドはヤマハ、ローランド、カワイなどの大企業と十分に競争できるほどの技術が詰まっており、実際様々な面で優れていると感じています。
今回はそのPrivia(プリヴィア)シリーズの中でも人気の高いPx-S1000の優れた特徴を解説しながらレビューしていきたいと思います。
特徴まとめ
まずはじめにPx-S1000の特徴のうち、個人的に他にはない優れている点は以下の4つです。
- ・スリムで軽量、それでいてスマートなデザイン
- ・スマートスケーリングハンマーアクション鍵盤を使った一般評価も高いキータッチ
- ・グランドピアノの再現度が高い美しい音
- ・USBやBluetoothなど幅広い接続性
他にも細かい点はいくつもありますが、電子ピアノとして特に優れていて、人気が高い理由はこれらだと思います。
それぞれ細かく見ていきます。
スリムで軽量、なおかつスマートなデザイン
Px-S1000の名前で使われている「S」は「スリム」を表しています。その名の通りPx-S1000他の電子ピアノと比べてみても驚くほどスリムなサイズです。
スペックサイズは幅132.2×奥行23.2×高さ10.2cmですが、特に驚くのは奥行です。
一般的なサイズであるPX-160と比較すると、約6cmもスリムになっています。
また重量は11.2kgと同じ価格帯の他の電子ピアノの中でも十分軽い方です。
KORGの人気機種B2(11.4kg)やYAMAHAの人気機種P-125(11.8kg)と比べてもその軽さは十分だと思います。
これまで大きさや軽さへのこだわりが見られましたが、その上でデザインにも抜かりはありません。画像の通りかなりスマートなデザインです。
鍵盤の奥は鏡面で仕上げ、それ以外の周りはマットな質感。メリハリをもたせながらも角は丸くすることで全体がスマートになっています。なんと言っても手前から奥にかけての斜線が斜めから見たときにとても美しいですね。
鍵盤は残念ながらプラスチック製です。外観は一昔前のような安っぽさはなく適度にマットな象牙調の仕上がりになっています。ただやはりプラスチックですので、過度な期待はしないほうがいいレベルです。
一般評価も高いキータッチ
「スマートスケーリングハンマーアクション鍵盤」とよばれる鍵盤で、質の高いタッチを再現しています。このタッチは世界中のネットショップやブログ等でも概ね評価されています。個人的にもこのスリムさを考えれば十分すぎる鍵盤と言えるでしょう。
ただ、もう1ランク上の電子ピアノ、特にRolandやKorgの高い電子ピアノに比べればやはり質は劣るように感じます。あくまでもコストパフォーマンスとサイズパフォーマンスに優れた鍵盤です。
公式HPには「発音の大きさを1鍵ごとにデジタル制御することで、グランドピアノを弾いているような感覚での演奏を可能にしています。」とあります。
左の低い音になればなるほど鍵盤が重く、高い音になるほど軽くなっているのです。もちろんそれほど極端ではありませんが、このあたりもグランドピアノの再現へのこだわりを感じますね。
タッチ感度は5つのレベルとOFFの6段階あり、初心者の方でも自分にあった重さで演奏できるでしょう。個人的には一番思いレベル5で丁度いいです。これはコロコロ変える設定ではありませんから、最初以外はほとんど意味のない機能かもしれません。また初心者の方でもグランドピアノやアップライトピアノでも同じように演奏しいたい場合は、最初からレベルをやや高めに設定しておくことをおすすめします。
美しい音
CASIOのpxシリーズでそれまで使われていた音を今作で一新しています。結果的に音質の向上は驚くものがあり、とても優れているといえます。
個人的には2音以上を発音したときの響きがとても良くなっています。さらに新しい技術で、打鍵(音)の強弱によっても、そのあとの音の響き方が変わるようにもなっています。私の平凡な耳ではそれほどハッキリとした違いはわかりませんでしたが、皆さんはどうでしょうか?
音の種類は18音(低音専用を含む)でジャズやポップなど曲調に合わせて楽器を変えて、より雰囲気を上げることができます。
17音に関しては音のデモがありますので、気になる方は一度聞いてみてください。(※音量注意)
また音の反響(エコー)度合いをコントロールできるエフェクトも用意されています。エフェクトは4種類あり、それぞれエフェクトの大きさを微調整することが可能です。
Px-S1000に搭載されているスピーカーは8Wアンプで2個ついています。このサイズ感の電子ピアノだと限界近いスペックのスピーカーだと思います。
幅広い接続性
最近ではあるのが普通になってきていますが、Px-S1000にも様々なツールに接続できる機能が備わっています。
イヤホンジャック
まず6.3mmの標準ジャックが2つついています。6.3mmは楽器ではよく使われる大きさで、音楽プレーヤーやスマホにあるような端子よりも少し大きい端子のものです。これがLとRでそれぞれ分かれているため2つのジャックがあるわけです。例えば大きなスピーカーに繋げるときなどは両方のジャックを使うことになります。
また通常のイヤホン端子もついています。イヤホンをつけているとスピーカーからの音はミュート状態になります。そのためマンションなどの室内での演奏や夜間の演奏でも近所迷惑を気にすることなく練習が可能です。ちなみにイヤホン端子をつけている状態でも、ボタン1つでスピーカーから出力することもできるので、常につないだままにして状況に応じて音の出力を切り替えることができます。
USB
Px-S1000にはタイプBのUSB端子があります。この端子を使ってパソコンなどに接続すれば、MIDI音源として出力できるのです。このシンプルな出力は何に使うかといえば、一つは楽譜の作成です。最近ではMIDIから自動で譜面に音符を入れていくようなソフトがあり、そのソフトを使えば簡単に作曲を行うことができます。他にもパソコンに録音して調整したりと、できることは意外と多いのです。
Bluetooth
最後にBluetoothです。これを使うことでスマホやタブレットへも簡単に接続することができます。そのままスマホへ音楽データとして保存することができるのです。
1つ注意しなければいけないのは、この出力はオーディオデータでしか対応していません。MIDIでの出力はBluetoothでできませんので注意してください。
他にも充実の機能性
ここまで個人的に気に入っている特徴を紹介してきましたが、もちろんこれだけではありません。例えば以下のような機能もついています。
- Px-S1000内部に録音可能
- キーの変更やオクターブの調整が可能
- 鍵盤を2つに分けて、同じ音の高さがでる2つのパートに分けることが可能
- メトロノーム機能を付属
- ダンパーペダルを最初から付属
これから電子ピアノを買おうと思っているけど、どれにすればいいかわからない方にはとりあえず間違いないと言える1品だと思います。
安い買い物ではありませんが、きっと後悔はしないことでしょう。
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