ピアノは素晴らしい楽器です。
一度購入すると、ピアノは何十年もの間、ご家庭の生活の一部になるでしょう。
しかしピアノのコンディションを維持しておくにはいくつかの注意が必要です。
今回はピアノを扱う上で気をつけていってほしいことを紹介します。
①子供
ピアノは子供を楽しませる一つのツールです。
しかし、ピアノを扱うにはいくつかのルールを子供たちに守らせる必要があります。
逆に言えば、ルールを知らない子供たちはピアノを知らずに傷つけてしまいがちですので、予め注意しておく必要があります。
おもちゃ
まず1つ目はプラスチックを含む固いおもちゃです。
これらをピアノの上で遊んだり、ぶつけることでピアノの塗装が剥がれる危険があります。
ピアノの塗装はただ光沢を出して輝かせるためだけではありません。中の木材を保護する役割があります。
これが剥がれ落ちてしまうと木材にダメージが入りやすくなり、最終的にピアノの音に影響が出てきてしまいます。
また、木材がむき出しになると腐食の原因にもなり、ピアノの寿命を縮めてしまうのです。
2つ目は硬貨のような小さなおもちゃです。
子供はピアノの屋根の上にものを入れることができるぐらいの年齢になると、屋根の中の弦やハンマーに興味をいだきます。
そこに硬貨など小さいおもちゃが入ってしまうと、簡単に取り出すこともできませんし、気付くことも難しいでしょう。
しかしここはピアノの心臓部ですから、当然音に大きな影響を与えます。
決して屋根の中にものを入れないように注意してください。
食べ物や飲み物
ピアノの周りに食べ物や飲み物を置いてはいけません。
ピアノの上や近くに飲み物を置くと、それらがピアノの内部の湿度を上げ弦や響板を痛める可能性があります。
また食べ物や飲み物がこぼれると、それらの成分にもよりますが、それ自体がピアノを痛める原因になってしまいます。
万が一こぼれた場合はすぐに拭き取ってください。
音やタッチに何かしらの違和感を感じた場合は、すぐに調律を含めて手入れが必要です。
その他の危険
ピアノでお絵かきをさせないでください。おもちゃと同じく塗装が剥がれる原因になります。
ピアノそのものをおもちゃにさせないでください。周りのフレームもそうですが、鍵盤をおもちゃにすると鍵盤からハンマー、弦に至るまで故障の原因になります。
②温度・湿度
ピアノはの保管は、温度や湿度に気をつけてください。
メーカーや個体差にもよりますが、気温は22℃前後、湿度は40~50%程度がピアノが長持ちできる環境です。
これをどれだけ維持できるかでピアノの寿命は変わってしまうのです。
温度や湿度は季節によって大きく変わっていきますので、そのときに応じた対策が必要です。
例えば冬場であればできるだけ加湿器を使用し、梅雨の時期は除湿機を使用する必要があります。
これらの季節による影響を完全に受けなくすることは難しいかもしれません。
しかし、気をつけるべきは季節だけではありません。
例えばキッチンの近くに置いてしまうと、季節に関係なくピアノ周辺も湿度が過度に上がってしまいます。
また最新の耐熱環境でもない限り、窓際に置いておくと夏は高すぎる温度に、冬は低すぎる温度に鳴ってしまいます。
食品を保管するように、ピアノも温度や湿度に気を使うようにしましょう。
お持ちのピアノの適切な温度や湿度はぜひメーカーに確認してみてください。
③移動
ピアノを動かすには、ピアノ台車が不可欠です。
だいたいのピアノの底にはキャスターが備え付けられていますが、これはピアノの位置を微調整する程度でしか使うべきではありません。
長距離をキャスターを使って移動していると、キャスターの破損につながってしまいます。
キャスターの破損そのものは大した影響がないのですが、いざ移動中や固定しているときに破損しピアノがガタンと地面に叩きつけられるとフレームは愚か、内部にまで大きなダメージが入ってしまいます。
引っ越しはもちろんのこと、ピアノを別の部屋に移動するなど、長い距離を移動する場合は、ピアノ用のジャッキやリフター、補助キャスターなどをご使用ください。
④手入れ
ピアノは定期的に柔らかい布で優しく拭き取ってください。
ほこりは見た目が変わる程度なのであまり気にする必要はありませんが、注意するべきは指紋です。
指紋には油を含めて様々な成分が付いています。これらは塗装にダメージを与える要因にもなります。
それはフレーム部分だけではなく、鍵盤も対象です。
ピアノのフレームや鍵盤が指紋で汚れている場合は、中性の石鹸を水で溶かして柔らかい布を使って拭き取ってください。
その後柔らかく乾いた布で拭き上げましょう。
鍵盤を拭くコツは左右に拭くのではなく、前後に拭いていき、ひとつひとつの鍵盤を確実に清掃していきましょう。
⑤調律
ピアノを最高の状態に保つために、ピアノはできれば年に2回、そうでなくとも年に1回、きちんとした調律師に調整してもらいましょう。
きちんと保管している場所の温度や湿度が管理されている場合は年1回でも問題ないでしょうが、大抵は年に2回をおすすめします。
調律は車の車検のようなものです。
やらなくても大抵は動き出しますが、あるときに急に止まってしまいます。
ただピアノの音を調整するだけでなく、オーバーホールの意味を含めて調律師に診てもらうことはピアノを長持ちさせる秘訣です。
ときには部品の交換も同じ時に行ってもらいましょう。
ただし、調律師も仕事です。
提案されたことをなんでも受け入れるのではなく、自分の目で看て判断するようにしましょう。
無理にきれいなパーツを交換する必要はありません。
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